新型インフルエンザの発生に備え、厚生労働省は企業向け対策指針としてパンデミック(大流行)時は、「従業員の4割が数週間欠勤すると想定し、継続する重要業務を絞り込むのが望ましい」とする改定案をまとめた。
2007年春に作成した対策指針では、マスク着用やうがい・手洗いの励行など、個人向け対策が中心。今回は企業が対策を進める上で必要な具体策では、先ず米英での試算などを踏まえて厚労省が、企業における従業員欠勤率を算定。急速に感染が広がる大流行時(フェーズ6、現在は新型インフル未発生のフェーズ3)は、従業員の4割かそれ以上が数週間休むとした。また、本人の感染のほか、発症した家族を世話したり、感染疑いの段階で自宅待機を求めたりする状況も加味しているとされている。
対策として企業ごとに被害想定。継続不可欠な事業を絞る。重要業務にあたる従業員が欠勤した場合に他の人が代替できる体制の構築等を提示。新型インフルが海外で発生した場合、日本に到達するのは2~4週間後で、流行期間は約2カ月間。その間、できる限り、在宅勤務や職場での宿直で対応するよう勧めている。
厚労省は、治安やライフラインなど最低限の生活維持に必要な企業・事業者として、電力、上下水道、ガス、通信などのほかに今回、金融機関や食料品製造業などを追加。こうした事業者は、大流行時も重要事業を継続できるよう検討、準備しておくよう求めている。
一方、それ以外の「一般事業者」に対しては、従業員が外出して人に接触することで感染リスクが高まることを考慮し、事業ごとに継続を検討するよう勧めている。大流行時に厚労省は、不特定多数の人が集まる遊戯施設などは営業自粛を求める方針だ。 (参考:朝日新聞)(M.Y)