三菱重工業や北海道大学、製薬各社の研究者らで構成する宇宙創薬協議会が、宇宙空間での新薬研究の事業化に向け、議論を続けている。宇宙創薬とは、無重力空間で起こる動物の体の変化を観察し、地上での創薬につなげようというものである。
製薬各社は新たな分野であるバイオ医療品の開発強化にも取り組んでいるが、それだけでは不十分とみて、宇宙創薬という未知の世界に注目した。早ければ、12年度中にも地上100km付近の宇宙空間に航空機を飛ばす予定となっている。
無重力となる数分間、三菱重工が開発した小動物実験装置内でマウスにかかるストレスや、免疫力の変化などのデータを収集し、そのデータを活用することで、研究者が地上でも効果がでるか検証する。
昨今、新薬開発は、新たな分野へと拡大してはいるものの、行き詰まっているのが現実であり、そうした中で考えられた宇宙創薬が、新薬開発の今後の道を広げることができるのか、期待が高まっている。
(参考:日経産業新聞)(R.S)