C型肝炎など肝炎の進行度を血液検査で簡単に判定する方法を産業技術総合研究所などの研究グループが開発した。肝炎が進行するほど肝がんになる可能性が高まる。今は体外から肝臓に針を刺して細胞を取り出して進行度を調べており、患者の体に負担がかかる。進行度が簡単にわかれば病状に応じた最適な治療が出来、肝がんの早期発見もしやすくなる。
産総研の成松・糖鎖医工学研究センター長らは、肝炎が悪化して肝硬変に近づいていく「線維化」に伴って、肝臓のたんぱく質に付いている糖鎖と呼ばれる部分が変化することに注目。肝炎や肝硬変と診断された患者125人の協力を得て、血液の中に漏れだしているたんぱく質で糖鎖の型を調べたところ、肝硬変に特徴的な型があることを発見。肝炎と肝硬変をこの検査法で区別できるかを88人の患者で調べると、93%の率で正しく肝硬変と判定出来た。糖鎖の型を調べる検査は特殊な装置が必要で、今は限られた研究室でしか出来ないため、普通の病院でも検査が出来るように改良を進め、数年以内に実現したい意向を示している。 (参考:朝日新聞)(M.Y)
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