ダイエット目的の購入者が増えた2008~2009年のブーム終息から3年経った今、バナナ人気が再び上昇気配を見せているという。
その要因となっているのが、「朝型消費」の拡大である。出勤前を自己啓発にあてる「朝活」の浸透や、東日本大震災後のサマータイムを機に広がった早朝勤務など、朝7時台から頭を使う人が増加傾向にあるため、短い時間で高い栄養価を採れるバナナに再び注目が集まったと言われている。
これに輪をかけ、今夏は、バナナの割安感が強まったことも、消費拡大に影響を与えた。日本で食べられるバナナのほとんどを占めているフィリピン産が、南シナ海の領有権争いによって中国での検疫が厳しくなった影響で、中国への輸出が減り、その結果、一部が日本に流出したため、供給増により価格が下落したという。
また、販促方法にも工夫が見られている。日本バナナ輸入組合は、今年から、青色バナナは食物繊維と同等の働きをする、黄色バナナにはビタミンBが多く含まれる、熟した茶色いバナナは免疫増進の効果が見られる、といった「塾度別」の販売方法をスーパーなどで開始しているそうだ。
再び人気を取り戻しつつあるバナナが、安さ、手軽さ、工夫された販促等により、更なる上昇曲線を描くことができるのか、注目したい。
(参照:日経MJ)(R・S)