アメリカの会員制健康医療団体「カイザー・パーマネント」の研究チームが実施した調査結果によると、1日に2杯以上のコーヒーを飲む妊婦は、飲まない人と比較すると、流産の危険が2倍になることが判明した。コーヒーに含まれるカフェインが原因物質とみられており、1日に200mgのカフェインを摂取した妊婦はカフェインを摂取していない妊婦に比べ、流産する割合が高くなっている。カフェインを摂取することで、胎盤の血流減少を引き起こし胎児に悪影響を与える可能性が懸念されている。(参考:日本経済新聞)(R.T)
米国で一般に信じられている身体や身の回りに関する言い伝えについて、医学的裏づけがないものばかりか誤りのものをあるとする研究を米インディアナ大が例えば以下のようにまとめている。
・暗所で本を読むと目が悪くなる→影響がないことで大多数眼科医の意見は一致している。昔に比べ、現代は照明が明るくなったにも関わらず、近視が増えている事実とも矛盾・携帯電話は医療機器に影響する→計器異常等の報告があり、多くの病院で使用が禁止されているが、英米の研究では頻度は非常に低く、むしろ医師間の連絡が改善し医療過誤が減るとの研究もある(因みに日本の総務省では心臓ペースメーカーからは22㎝程度以上離すと規定)
言い伝えは信じるだけであれば実害はないが、根拠のない治療法を勧めることなどは実害をもたらす可能性もありそうだ。(米インディアナ大・研究班報告より)(M.Y)
20代、30代で中高年の病気といわれてきた痛風にかかる人が増加している。厚生労働省の最新調査によると34歳以下の患者数は2万9千人(2004年度)で1998年度により1万2千人増加している。カロリー過多で栄養バランスを欠いた食生活が原因とされる。また、痛風とストレスの関連も指摘されており、ストレスを発散するための飲酒や食事が悪影響を与えるとされる。なお、女性は痛風にかかりにくいが、閉経後に女性ホルモンの分泌がなくなったり、肥満や飲酒がひどかったりすると若くてもかかることがある。(参考:日経新聞)(N.U)
母親が喫煙する子供は体内のニコチン分解物質の値が非常に高く、将来メタボリック症候群になる恐れがあることが、埼玉県熊谷市の医師らが小学四年生を対象に行った調査研究で分かった。母親が喫煙者だった子供は、尿中ニコチン値が両親とも吸わない子の10.5倍に上り、父親が喫煙者の場合と比べても4.5倍高かった。一方、尿中ニコチン値が高いほど、動脈硬化を抑制する「善玉コレステロール」の値は低かった。また、肥満や高血圧などメタボリック症候群の予備軍と考えられる子の尿中ニコチン値は、そうでない子の約3倍だった。(日経新聞)(Y.A)
「タバコを吸わない」「適度な飲酒」「野菜・果物を充分摂取」「適度な運動」を行っている人は、そうした習慣がない人に比べ、14年長く生きられるとの調査結果を、英ケンブリッジ大学の研究チームが発表した。同チームはイギリス南東部の45~79歳の健康な住民約2万人を対象に1993年~1997年にかけて健康調査を実施、2006年までの死亡率と生活習慣との関係を解析した。簡単な習慣を組み合わせることで、病気になりにくい丈夫な体を維持することになり、結果長生きできることに繋がるといえる。長生きの4つの習慣①喫煙しない②飲酒はワインなら1週間にグラス4杯まで③1日に最低こぶし5つ分程度の野菜、果物の摂取④1日30分ほどの軽い運動 (日経新聞他)(R.T)
アメリカ、シカゴ大学の研究チームは、眠りが浅いと血糖値を正常に保つ機能に悪影響を及ぼすという研究結果を、米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。研究チームは20~31歳の健康な男女9人を被験者として、眠りの質とインスリン(血糖値を正常範囲に維持する)の効きぐあい(耐糖能)の関係を調べた。実験室で8時間半ほど眠ってもらいながら、脳波を測定し、深い眠りを示す脳波が出始めたら、深い眠りを妨げる程度の騒音をベッドサイドのスピーカーから出して、被験者の深い眠りを妨げるという実験を行った。3日間の実験結果によると、被験者の耐糖能が実験前より25%程度低下し、糖尿病に近い状態になっていた。研究チームは「睡眠時間を長くするとともに、眠りの質を改善することでⅡ型糖尿病の予防につながる可能性がある」としている。(K.O)(アメリカ科学アカデミー紀要電子版、朝日新聞、他)※この結果は、肥満が主な原因として起きる睡眠時無呼吸は、深い睡眠を妨げるため、Ⅱ型糖尿病を誘発するリスクがあるという仮説が成立する
イギリスの新聞、デーリー・テレグラフは、ベッドに入る1時間前に電子メールをチェックすると不眠の原因になるというエディンバラ睡眠センターのクリス・イジコフスキ博士の研究を報じた。イジコフスキ博士によると、就寝前に電子メールをチェックすると、電子機器からの光が脳へのシグナルとなり、自然な眠りを誘うホルモン「メラトニン」の分泌を妨げる。。。つまり、脳が眠るための準備作業を中断させるという。特に、ベッドに入る前に仕事の電子メールを見ることは、精神的なストレスも作用し、エスプレッソ2杯分と同等の不眠効果があるとしている。(K.O)(時事、朝日新聞他)
自分の睡眠に不満を持っている、いわゆる睡眠ストレス保有者は約2000万人といわれている。このうち約500万人が睡眠薬の服用者となっている。このような動向を背景に、翌朝にすっきりした生活を送るための快眠サービスの市場が伸びている。快眠ビジネスは、会員制快眠サロン、快眠サービスを特徴としたホテル、快眠グッズ専門店、サプリメントなど、多様化している。(化学工業日報)(R.T)
フランス語。日本語では軽く擦る(さする)という意味で、軽擦(けいさつ)。アロマテラピーのトリートメントマッサージで使われる手技です。ウィキペディアでは、「術手を患部に密着させ、同一圧で同一速度で同一方向に遠心性でなで・さする手技」と紹介されています。弱い軽擦と強めの軽擦があり、これを連続したひとつの動きの中で行うことで、施術される側は、ここちよい感覚を覚えながら、循環(血行)促進および鎮静効果を得ることができます。(K.O)参考:香崎朱里のハンドマッサージセミナーでその一端を紹介しています。
米国の働く人を対象にした調査で、チャイルドケアや在宅医療介護などパーソナルサービスに従事する人が、うつ病に罹患する確率が高いことがわかった。米薬物乱用・精神衛生管理庁が10月に発表した。
日本で同様の調査は行われていないが、IT関連業界に勤めている人がうつ病になりやすいことは一般的に知られている。慢性的な人員不足、膨大なメールのやり取り、長期間にわたって昼夜を問わない激務。メンバー入れ替えや客先常駐などによって周囲とのコミュニケーションが希薄になりがちなどが要因とされる。
うつ病(職業起因)は、慢性的にストレス過多状態であることから引き起こされる。米国のパーソナルサービスの従事者の場合、コミュニケーションとセルフコントロール能力の職業訓練プログラムを整備すること、日本のIT業界の場合、ストレス過多の軽減環境を提供すること、など職種に応じた処方が必要であると考えれられる。(Y.A)