「ランニング消費」が注目を集めている。
来年2月に行われる東京マラソンは、8月1日から受付を開始し、わずか2日ほどで申込者の数が3万9232人に達し、最終抽選倍率が10倍以上であった前回以上の応募が見込まれている。
少子高齢化の影響により、縮小傾向にあるスポーツ市場において、数少ない成長分野であるランニングは、愛好者数がこの数年で、右肩上がりに増え続け、笹川スポーツ財団によると、国内ランナー人口は、2010年時点で、2006年の1.5倍の900万人にまで達した。
東京マラソン以外にも、都市型大会は活況で、シューズなどの用具販売と、東京、大阪、京都、神戸の4大会の経済効果で、消費を年200億円以上押し上げている模様で、この流れに乗じ、企業も需要開拓を更に進めている。
アディダスジャパンは、今春から、デザインを重視した女性ランナー向けの新ウェアブランド「蘭(ラン)」を展開し、ミズノは、中上級者向けに、靴底の薄いシューズ15種類を発売。また、サントリー食品インターナショナルは、5月にランナー向けのエネルギー補給飲料「ゲータレード ラン」を発売したほか、コカ・コーラグループの軽いランニングを行う中高年向けのスポーツ飲料「アクエリアス ゼロ」は、発売2カ月で200万ケースを売り上げた。さらに、旅行会社の、マラソン大会に参加できるツアーの数も増えてきており、ジャルパックのホノルルマラソンツアーの予約は、2000人弱と、前年実績を6割も上回った。
博報堂生活総合研究所によると、ランニング愛好者の17.1%は、世帯年収が1000万円を超える層であり、仕事熱心な人ほど、健康に気遣う余裕がある人が多いとされるため、これからの更なる消費の拡大が、期待される。
(参照:日本経済新聞)(R.S)