環境、経済産業、厚生労働の3省で設けた「化学物質審査規制法(化審法)見直し合同委員会」は、工業製品などに含まれる化学物質の監視対象を現行の約1千種から2万種ある全てに広げることが必要とし、化審法の改正案を通常国会に提出する方針としている。
2万種類以上あるとされる化学物質のうち国は、使用量が多く、分解しにくいものから人体や環境への影響をリスク評価し、汚染が起きないように監視している。これまで約1,600物質の評価を終え、有害性が確認された約1,100については使用制限や届け出を義務づけている。これ以外の物質は使用量は少ないが、有害性が十分確認されないまま出回っている。 改正案では、一定量以上の化学物質を製造・輸入する企業に対し、一定の物質の使用量や用途を国に届け出る義務を課す。その中から国はリスクが高いものを『優先評価化学物質』に指定し公表、リスク評価に入れる。
経産省の試算では、手続きなどで企業に新たにかかる費用は2020年までに少なくとも総額40億円。市場に出回る全ての化学物質を対象に確実にリスク評価ができるというメリットを想定し、3省合同委員会は、リスク評価まで企業に課す欧州型ではコストが増える割には国民のメリットは変わらないと見解。国がリスク評価した方が費用効果面で妥当と評価している。 (参考:朝日新聞)(M.Y)