遺伝的性質によって花粉を発散させないスギ。花粉症対策の観点で、各地の林業試験場や企業などが研究している。実用化に向けた動きが盛んになっている。このスギが初めて発見されたのは1992年の富山県でのこと。富山県林業試験場はこれを元に苗を育成して「はるよこい」と名付けた品種を農林水産省に登録した。このほかにも全国の林業試験場で、富山とは異なるタイプの無花粉スギの研究も進行している。同様の性質を持つ別種の遺伝子もいくつか発見されている。これにより交配の可能性が広がることになった。
現在の最大の課題は、量産化や普及の可能性である。量産化については、本来は時間のかかる挿し木について効率よく栽培する方法や、育成の早い種子から栽培する方法などが研究されている。また普及するため、高品質の材木としても利用できる品種の開発も進んでいる。(参考:日経流通新聞)(R.T)
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