新生児救急の現場の多くで、乳児を抱かずにミルクを飲ませる「一人飲み」が常態化している。看護師の配置が不十分な現状が背景にあるが、ミルクが誤って気管に入るなどすれば、生命にかかわりかねない。
一人飲みは、保育器に寝かせたままの乳児に哺乳瓶の吸い口をくわえさせ、瓶を保育器の中に置いたままにする飲ませ方で、新生児集中治療室(NICU)や、乳児が回復直後に入る後方病床(GCU)で、一人飲みが常態化する実情を指摘する声は多い。
NICUのある病院でつくる新生児医療連絡会が05年、184施設を対象に一人飲みについて調査(回答率50%)、「度々する」が26%、「時にする」が28%で、「しない」と回答したのは半
数足らずだった。一人飲みを実施している施設の4割で、呼吸困難による嘔吐などのトラブル経験があった。
さらに授乳や投薬、無呼吸発作の予防などを行う看護師の配置基準を国が明確にしていないことが、問題を深刻にしている。NICUでは、看護師1人が受け持つ新生児は3人以下と決められているが、受け皿のGCUには基準がない。
同連絡会の調査では、夜間のGCUの場合、看護師1人当たりの受け持ちは平均で9.8人。1人で乳児25人を担当している例もあった。平均を超えて受け持っている全病院で一人飲みを行っていた。 因みに0歳児を預かる保育所では、保育士の数を「乳児おおむね3人につき1人以上」とする国の基準もある。(参考:朝日新聞)(M.Y)
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