首の太い子どもは、睡眠に関連した呼吸障害を発症する傾向の高いことが米国の研究で明らかにされている。障害の中で最も一般的なのは閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)で、睡眠時に喉の奥の組織が落ち込み、気道を塞ぐことで発生する。研究の関連情報によると、年少児の2%が罹患するOSAは、喉の大きさに比べて扁桃やアデノイドが大きい就学前児童に最もよくみられ、肥満児にも多い。幼少期のOSAは成長を阻害し、治療せずに放置しておくと高血圧にもつながる。
米バージニア大学の研究者らは、小児睡眠センターに紹介されてきた18カ月~18歳の小児215人を調査。被験者の37.3%が肥満で、いびきをかく頻度が高かった。首のサイズは座位で頭を中立させて測定し、睡眠関連呼吸障害の重症度の指標として、無呼吸低呼吸指数(AHI)と平均酸素飽和度を用いた。
年齢で調整後の首のサイズは、ボディ・マス・インデックス(BMI: 肥満指数)や体重との相関性があったが、BMIや体重、扁桃の大きさよりもAHIとの相関性が高かった。また、平均酸素飽和度と強い逆相関があり、首のサイズは、BMIや体重、扁桃の大きさよりも、酸素飽和度の優れた予測因子であることも明らかにされた。
年齢の割に首の太い子どもは、いびき、無呼吸、過剰な眠気、多動についても疑ってみる必要があり、いびきや無呼吸の履歴がある子どもの臨床的評価には、首のサイズを予め考慮すべきと捉えられる。 (参考:睡眠専門家協会年次集会報告)(M.Y)
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