製薬会社・ファイザーの喫煙に関するアンケートで、喫煙者の約7割がニコチン依存症と診断されるにもかかわらず、うち4割にはその自覚がないことが判明された。7割が禁煙を試みて失敗していながら、医師や薬剤師に相談した経験がある人は1割にも満たず、06年から禁煙治療に保険が使えるようになったのを知っていたのも半数以下だった。
アンケートは4月、各都道府県の男女各100人、計9,400人の喫煙者に実施。世界保健機関(WHO)の疾病分類などを基に作成した診断テストでは、6,656人(71%)がニコチン依存症に該当。しかし自覚があるのはそのうちの60%で、医療機関に相談していたのは全体の6%に留まった。禁煙については68%が挑戦したことがあり、うち5回以上試みた人が2割以上。手段としては72%が「何も使わず意思のみ」。禁煙ガムや禁煙グッズの使用が14%で、医師に薬を処方してもらった人は0.4%だった。
禁煙治療では、06年から医師の指導と張り薬(パッチ)が特定の医療機関で保険適用され、今年から一部の飲み薬にも拡大されたが、57%は保険治療が受けられることを全く知らなかった。このような背景からも、大半の喫煙者が禁煙の成否は意思次第と捉えているのと、ニコチン依存症という病気への理解が不足しているのが現状のようだ。(参考:毎日新聞)(M.Y)