大手小売チェーン・イオンは、専用の水田を確保し米の生産に乗り出すことを明らかにしている。第1弾として、秋田県大仙市の水田にて農薬の使用などを制限した特別栽培米を2008年産で約1,000t委託生産、さらに他の地域でも4、5カ所の専用水田を確保し順次生産量を増やす。生産を委託する農業法人にイオンが直接出資する可能性もある。
店頭で扱う独自ブランドの米に、流通大手が専用の水田で作付け段階から販売まで一貫して関わるのは初で、市販品より2割程度安く販売し、安全なコメを割安な価格で求める消費者の要望に応えたいとする意向を示している。これにより、企業の農業参入規制や補助金などによって競争を制限している国の米政策にも影響を及ぼしそうだ。
同社は現在、独自ブランドの特別栽培米を農協などを通じて仕入れているが、コストや安定調達に課題があった。産地と連携し米農家を直接囲い込むことで、競争力のある米を安定的に確保できると判断。独自ブランドの特別栽培米を08年産全体で1万t、40億円販売する計画で、専用水田を増やすことで10年産は2万5,000t、100億円に増やす方針。将来、中国など海外店舗での販売も視野に入れている。(参考:河北新報社)(M.Y)
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