自然科学研究機構生理学研究所の定藤教授らの研究グループは、人が褒められた時と、現金などの報酬を受け取った時に脳内の同じ部位が反応している、すなわち「褒められる気分はお金をもらう気分と同じ」という見解を米国脳科学専門誌「ニューロン」に発表している。
研究グループが着目したのは、脳中心部にある「線条体」と呼ばれる部位。線条体は、食べ物やお金などの「報酬」に対して反応を示すことがこれまでの研究で判明されている。
実験では、大学生の男女19人(平均年齢21歳)を対象に、脳の血流量を測定。「信頼できる」や「優しい」といった84種類の言葉を見せて褒められる状況を与えたところ、金銭を得た時と同じように線条体が活発に反応する様子を撮影することに世界で初めて成功した。
子供は褒めると育つと言われるが、褒めることも金銭や食物と同様の『報酬』として脳内で処理されていることが明らかになったと言えよう。 (参考:毎日新聞)(M.Y)
※黒質線条体、報酬系、ドーパミン(中脳皮質系)
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