厚さが市販の絆創膏の10万分の1という超薄膜で肺などの軟らかい組織を接着できる手術用「ナノ絆創膏」を早稲田大、防衛医大などのグループが開発した。液晶などの基板技術に使うナノテクを自然分解性の高い生体材料に応用している。
これはカニと昆布から抽出した2種類の糖類を使ったもの。それぞれの糖類を、ほぼ1分子分にあたる数ナノメートルの厚さに交互に積み重ね、約40層の薄膜シートを作った。2種類の糖類は電気的に引き合う性質があり頑丈。厚さ75ナノメートルと超薄膜で、組織にぴったりとくっつくため、強い接着力が得られるという。
グループでは、さらに安全性の検証を続け、3年後の治験開始を目指す。開発した早稲田大理工学術院の武岡教授は「胃や肝臓など、軟らかく縫いにくい臓器や出血しやすい臓器に
応用すれば、手術時間の短縮にもつながる」と見解する。 (参考:朝日新聞)(M.Y)
コメント