すさまじいかゆみで人々を悩ませた害虫「トコジラミ」の被害が各地で増加。70年代に一旦姿を消したが、今世紀に入って米国などで大発生。直後に日本の宿泊施設や老人施設にも姿を現し始めた。殺虫剤に耐性のあるタイプも出現し、専門家は被害の拡大を警告している。
トコジラミの別名は「南京虫」。髪に寄生するアタマジラミや、ケジラミとは違ってシラミの仲間ではなく、カメムシに近い。夜行性で、アリほどの速さではい回り、人の血を吸う。刺された跡は斑点となり、穴が二つあることが多い。1度目は血を吸われても痒みはないが、2度目以降はアレルギー反応で強い痒みが出るという。 マットや絨毯、テレビ、エアコンなど様々な場所に潜んでおり、半年で100~200倍に増えると推定されている。半年間は血を吸わなくても生き続けられ、殺虫剤が効かない場合もあり、駆除も困難とされる。害虫駆除に取り組む日本ペストコントロール協会によれば、近年トコジラミ被害は増加。05年に駆除したと報告した業者は3社ほどだったのに、今では年間30社近くとされている。 (参考:朝日新聞)(M.Y)