近隣に樹木が多い場所に住む小児は、樹木の少ない地域に住む小児に比べて喘息の比率が低いことが米研究グループにより明らかにされている。ニューヨークの42地区を対象に、4~5歳の小児の喘息罹患率および15歳までの喘息による入院件数を調べ、各地区に生えている樹木の数のほか、汚染源、人口密度、人種および民族の構成との比較を実施。同市では、喘息が15歳以下の小児における入院の要因ともなっている。
調査の結果、対象の小児9%が喘息。市内には1平方キロメートルあたり平均613本の樹木が生えていた。343本/平方キロメートルに相当する樹木密度の標準偏差増大につき、喘息率がほぼ4分の1に減少することが明らかになった。このパターンは、汚染源、社会経済的地位および人口密度について補正した後も認められた(樹木密度と年長児童の喘息による入院との間に相関なし)。
因みに樹木密度が小児の喘息率に直接関連しているのではなく、樹木が多いことで子どもの屋外での遊びが促進されたり、大気の質が改善されたりするために喘息が減少している可能性もあるようだ。(参考:医学誌・Journal of Epidemiology and Community Health)(M.Y)
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