筋肉でのエネルギー消費量を調節するたんぱく質を、東京大の永井良三教授らのグループが突き止めた。
肥満やメタボリックシンドロームの治療薬開発に役立つと期待される。科学誌ネイチャー・メディシン(電子版)に発表した。
研究グループは、KLF5と呼ばれるたんぱく質が通常の半分しかないマウスを作製し、高脂肪食を与えたところ、基礎代謝量が上がっており、通常のマウスと比べて食べる量は2倍でも、体重増加は少なく、脂肪肝にもなりにくくなった。
KLF5は通常、SUMOというたんぱく質とくっついて脂肪を燃やす遺伝子の働きを抑えていた。また、PPARγという別のたんぱく質につくと、逆に脂肪を燃やす遺伝子の働きを促すことが分かった。
PPARγを活性化させる物質は、高脂血症や肥満の治療薬として米国で臨床試験に入っている。永井教授は「詳しい機構が分かったことで、効率の良い、副作用が少ない薬の開発につながる」と話している。(参考:読売新聞)(Y.A)
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