昨今、言葉を省略した造語が増えているが、その中のひとつに、「リケジョ」という言葉がある。「リケジョ」とは、理系の女子を差す言葉で、現在の日本では少数派の存在といえる。男女雇用機会均等法の施行から25年余がたった現在でも、企業や大学で働く女性の研究者や技術者は少ない。
その要因となっているのが、「理系好きは女性らしくない」等の性別意識や、親世代の「女性の働ける理系の仕事は少ない」といった思考によるものであり、これを解決するには、モデルとなる女性による出前授業などを増やし、実際に「見せる」ことが重要となっている。
企業も「リケジョ」育成のため、様々な活動を実施している。資生堂では、2007年から若手女性研究者への助成制度「女性研究者サイエンスグラント」を創設し、毎年10人にそれぞれ100万円を贈っている。さらに、若手の女性研究者が中学や高校に出向く「出前授業」も開始している。他にも、IBM、東北大学、パナソニックは、共催により、「エキサイトキャンプ」を実施し、中学生の女子22人がプログラミングしたロボットを動かし、正確性を競うイベントを行うなどの取り組みを見せている。
理系職場はまだ圧倒的な男性社会であり、こうした職場風土を変えるには、すでに働いている女性への支援と次世代の育成の両面が求められている。
(参考:日本経済新聞)(R.S)
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