今年の夏も、例年以上の暑さに加え、ロンドンオリンピックが重なったこともあり、睡眠不足になりやすい人が増えており、寝苦しさや寝覚めを改善するための消費が拡大しているという。
肌触りが涼しく感じる寝具が、昨年に続いて売上良好なほか、眠りの深さが測れるハイテク睡眠計や、自然な目覚めにつなげるスマホ用アプリを利用したりする人も増えるなど、短時間でも質の高い眠りを求める志向は強まっている。
オムロンヘルスケアが5月に発売した、「睡眠系HSL-101」は、専用サイトに眠りの深さをグラフで表わす機能をもち、月額315円で助言も得られるため、熟睡感が得られないといった40代男性の購入が目立っており、同社が4月に発売した、眠りが浅い時に目覚ましを鳴らしてくれる「ねむり時間計」と合わせて、7月末時点の売上は、当初計画を約20%も上回ったとされる。
催眠をサポートするアプリの利用者も、増大している。7月30日のアップルの「iPhone」用有料アプリの「健康フィットネス部門」において、トップ10のうち、4つを睡眠補助系アプリが占めた。枕元に置いておくと、体の動きから眠りが浅い時を感知して、アラームを鳴らす「スリープサイクル」(85円)などが人気のようだ。
睡眠関連商品市場は、2001年から縮小傾向にあったが、10年、11年と微増が続いていることから、近年の睡眠に対する質の高さを求める志向が見られるほか、ワコールが7月に発表した調査においても、20~40代の男女約1000人のうち、71%が睡眠に不満を感じているという結果が出ており、今後まだまだ市場拡大の余地が期待できそうである。
(参考:日本経済新聞) (R.S)
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