大阪府・門真市は、国民健康保険加入者のうち生活習慣病で新薬を使用している被保険者を対象に、新薬より安価なジェネリック医薬品に切り替えた場合の治療費の差額を通知するサービスを開始する意向を示している。市の国保事業は赤字続きで財政を圧迫しており、市はジェネリック医薬品への切り替えを促進することで、治療費総額を抑制し、国保会計の収支改善を図る。
サービスの対象となるのは高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病で長期疾病にかかり、院外処方で新薬を使っている被保険者約2千人。対象者には、11月から新薬からジェネリックへ切り替えた場合、どれだけ治療費が安くなるか通知する文書を3カ月に1回送付している治療費の明細表に添付する。
同市によると、市内の国保加入率は19年度で42.3%で、府内平均(37.1%)を上回る。一方で生活保護受給世帯が多いこともあり、保険料の収納率は同年度で79.1%で、府内平均(87.4%)を大きく下回る。医療費総額が増え続ける中、国保会計は平成9年から赤字で、19年度決算で累積赤字は約58億5,450万円に達した。市では治療費の抑制を図ろうと、6月には全被保険者に対し医師や薬剤師に提示する「ジェネリック医薬品のお願いカード」を配布。さらに今回、ジェネリック医薬品を使った場合の差額を明示することで切り替えを促し、被保険者の自己負担軽減を図ると同時に、国保財政の健全化を目指している。 (参考:産経新聞)(M.Y)
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