思春期から青年期にかけて発症しやすいとされる鬱病。予防や発症した際の早期対応が重要だが、授業で扱うケースはごく少ない。教員の知識やノウハウ不足が背景にあるとみられ、大学と製薬会社が共同で中高生に教える授業用の教材キットを開発。教育現場で活用してもらう取り組みが始まっている。(授業のベースになったのは、東京学芸大と製薬会社「日本イーライリリー」が共同で開発した教材キット(CD-R)。教員向けの手引をはじめ、精神科医や患者の映像教材、鬱病患者数の推移グラフなどの資料が収録されている。
開発を後押ししたのが、同大と同社が昨年11月から今年6月にかけて首都圏の公立中学校を対象に実施したアンケート(回答数163校)。「鬱病の生徒がいる」学校は37.3%、「心の健康状態に問題を持つ生徒がいる」学校は98.7%に上り、しかも増加傾向にあることが明らかになった。また、回答者の半数近くが過去3年間に自殺の悩みを相談された経験があった。一方、心の病気を扱う授業を行っている学校は3割に留まった。授業の必要性は8割以上が認識しているが、鬱病について「どう教えたらよいか分からない」「教える知識や情報がない」との意見が多かったことも背景に挙げられた。 (参考:産経新聞)(M.Y)
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