よく噛んで食べる習慣は、肥満の解消や高齢者の窒息事故の予防につながるだけでなく、最新の研究では健康余命との関係も明らかにされてきている。厚労省の検討会も「噛ミング30」(カミングサンマル)運動を提唱し、ひと口30回噛むことを呼びかけている。ふだんの食事で「さきいか」や「たくあん」など硬いものを噛める人ほど、自立して元気に生きられる健康余命が長い。日本大学が全国の高齢者約5,000人を対象にした大規模調査で、こんな実態が明らかになった。
平成11年から調査を担当する同大松戸歯学部・那須教授は、噛み切れる食品の種類を聞き、硬い順に咀嚼能力を5から1までに分類。さらに、「さきいか」など何でも噛める咀嚼能力
5の人と、4以下に分けて追跡調査を行い、噛む力と健康余命との関係を分析した。その結果、65歳の時点で、咀嚼能力5の人は4以下の人より健康余命が2.8年も長く、各年代で差があることが明らかにされた。咀嚼能力の高い人は、肉・魚から野菜までいろいろな食品をバランスよく食べられるので、十分な栄養とカロリーを摂取できるのでは…とも推察されている。 (参考:産経新聞)(M.Y)
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