自閉症スペクトラム障害(ASD)の多くの小児は、人よりもロボットを相手にしたときの方が、より相手に興味を示すと見解されている。
「シャボン玉を吹いたり、ラッパを鳴らしたり、表情を作ることもできる社会支援型ロボット(SAR)が、ASD患児の発語や相互作用を増大させる」との研究報告が南カリフォルニア大学ビタビViterbi工学部の研究者らによって示された中、ASDの患児とシャボン玉を吹き車輪で動くロボットとの組み合わせで、自動的に作動するロボットと患児がボタンを押した時に作動するロボットに患児の反応を比較した研究を行った。
ロボットの行動は、患児の社会的行動(人対人の相互作用と人対ロボットの相互作用)に影響を及ぼし、随伴的に反応するロボットに対する患児の社会的行動は、無作為に反応するロボットに比べて多いことが明らかにされた。「全般的に、ロボットが付随的な動きをした時に、患児はより社会的になるようだ」と同大学教授のMaja Mataric氏は見解。
また、ギリシャ、アテネで開催された国際ワークショップでは、ASD治療に柔軟に対応できる有用なロボット製作の取り組みについて論じられていることから、SARは患児自身と両親や兄弟の双方を助ける役割の一端を担うことが出来るものと言えそうだ。(参考:南カリフォルニア大学報告他)(M.Y)
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