中年期に適度な飲酒、特にワインの摂取を始めた人では、全く飲酒をしない人に比べて心臓発作リスクが68%軽減することが米国の研究で明らかになった。これまでの研究では、適度のアルコール摂取は心臓によいとされていたが、人生の後半期に飲酒を始めた場合の有益性については明らかでなかった。
米サウスカロライナ医科大教授・Dana E. King博士らは、被験者年齢45~64歳で、研究開始時には飲酒をしていなかった7,697人のデータを収集し開始。
4年後、適度に飲酒した人は、飲酒しなかった人に比較して、心血管疾患や心臓発作リスクが38%軽減していた。ただし、King氏はアルコールの種類が重要だとし、「ワインのみを摂取した人の心血管イベントが68%低下していたのに対し、ビールや蒸留酒などでは21%であり、統計学的な有意差は認められなかった」と見解。また、飲酒の開始は誰にでも勧められるものではなく、肝臓疾患やアルコール中毒の家族歴などのある人は事前に医師との相談が必要としている。
一方、米カリフォルニア大教授・Gregg C. Fonarow博士は、「今回の研究では、両群間の全死亡率には差はなく、飲酒を選択する前に危険因子とされているコレステロールや血圧の管理に専念すべき」と不完全性を主張。適度な飲酒は心臓に良いとしながらも、悪影響も考えられることより、現在飲酒していないならば開始すべきではないとも言えそうだ。 (M.Y)
コメント