介護保険で使えるサービス量を決める「要介護認定」について、認定審査を担う医師や介護関係者の半数が、
「大幅な見直しが必要」と考えていることが明らかにされている。厚生労働省は2009年4月に認定基準を改定したが、「本来の介護度より軽度に判定される」などの批判を受けて、2009年10月に見直したばかり。
要介護認定は、介護サービスを受けたい人に調査員が聞き取りをし、コンピューターで1次判定する。この結果をもとに、主治医の意見書などを参考にしながら審査委員の合議で2次判定する。
要支援1から、最も介護の必要性が高いとされる要介護度5まで7段階。介護度が上がるほど使えるサービス量は増える。
淑徳大・結城准教授が09年11~12月、東京、千葉、京都、大分で2次認定審査を担う医師や介護関係者計310人にアンケート。その結果、1次判定で旧基準と比べて軽度に判定される傾向があると約6割の人が回答し、見直しが不十分だとの認識を示した。 2次判定で、介護サービスが受けられなくなる「非該当」と判定される人の割合の変化を聞いたところ、約2割の人が「増えた」と答えた。
また、現在の認定制度について、「問題が多く、早急に抜本的な改正が必要」が26%、「次回の改正時に大幅に
見直すべきだ」も22%と、大幅な見直しが必要と考える人が半数近くいた。
現行制度の問題点について、「1次判定では、在宅の人は軽度に、施設入所者は重度に判定されている」「軽度の認知症の人の介護の手間が1次判定では反映されていない」などの意見が挙がった。 (参考:朝日新聞)(M.Y)