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ヘモレオロジー（1）

血液レオロジー(ヘモレオロジーhemorheology)とも言います。
血液の性質、特に血液の流れについて研究する分野のことで、分かりやすくいえばサラサラ血液とかドロドロ血液というのは、ヘモレオロジーの研究対象となります。
私たちには、MC-FAN（MicroChannel array Flow ANalyzer）という検査機器で撮影された画像がテレビ番組で紹介されるようになってからサラサラやドロドロといった言葉が使われるようになりました。
クシ状に並んだ細長い六角形のブロックのすき間を血液が流れる映像
健康情報番組などでご覧になった方も多いと思います。

「あなたの血液はドロドロ！！」と脅して健康食品や器具を売りつける詐欺まがいの事件が最近多く、少しイメージダウンした感じもありますが。

しかし一方でMC-FANの映像を臨床に役立てているお医者さんも実際にいます。また、ちゃんとした研究者たちの学会もあります。（K.O）

アクアポリン（２）

アクアポリンは老化をはじめ、環境、遺伝子の異常などで、減少したり、消失したりすることもわかってきました。
老化によるアクアポリンの減少で、明らかになりつつあるのが白内障。
白内障は老化に伴い起こることは周知だが、これを眼のレンズ細胞の表面にあるアクアポリン（AQP0）の減少で説明される可能性が出てきました。
ドライマウスもAQP５の減少によって説明できる可能性の他、皮膚の角質細胞にあるAQP3の減少による皮膚の乾燥やアレルギー性皮膚炎の説明も可能だと考えられています。
AQP3は、皮脂膜、NMF（ナチュラル・モイスチュア・ファクター）、セラミド、カスパーゼ14などとともに、肌の保湿因子と考えられます。（K.O）

アクアポリン（１）

すべての生物の細胞の表面には、水（H2O）だけを選択的に通すタンパク質でできた穴（トンネル）が存在します。このタンパク質に”水の穴”という意味のアクアポリンと言う名前がつけられ、その働きが明らかにされつつあります。
例えば、赤血球（血液細胞）が自分の表面にあるアクアポリンの穴から水を出し入れすることで体積を自在に変え、さまざまに形を変えながら、狭い血管内をひとつずつすり抜けて行くことがわかってきました。
目のレンズも同様に、レンズを構成する細胞がアクアポリンの水の出し入れで形を変えることで、見たいものが見えるようにピントをあわせています。

アクアポリン(AQP）には複数の種類があることもわかっており、例えば、AQP1は赤血球など、AQP3は皮膚細胞、AQP5は汗腺に多く存在します。現在AQP0からAQP12までの13種類が報告されています。（K.O）（２）に続く

参考：NHK教育TV　サイエンスゼロ

アスタキサンチン

東京海洋大学の矢澤一良教授と富士化学工業の研究グループは、アスタキサンチンに体脂肪を低下させる機能があることを発見した。これにより、アスタキサンチン配合の食品が抗酸化だけでなく、メタボリックシンドロームの予防、ダイエット、スポーツ用食品素材としての活用が見込まれる。

アスタキサンチンには脂質代謝促進による機能もあり、ダイエット中断後のリバウンド作用を防止できる効果も期待される。また、糖尿病合併症の予防や眼疾患との関係、スポーツパフォーマンス向上、血圧低下作用など、その幅広い生理機能と作用のメカニズムが明らかにされつつあり、予防医学の視点からも強い関心が持たれている。アスタキサンチンは、サケやカニなど水産物に含まれるカロテノイド類。（参考：化学工業日報ほか）(Ｎ.Ｕ)

※参考　キラリ発見 美容健康10月11日

β（ベータ）クリプトキサンチン

果物・野菜の摂取が、骨形成と骨量維持に良い影響を与えることが最近の欧米での研究で明らかにされてきています。骨形成に必要なビタミンやミネラル類が豊富に含まれるためと考えられています。
特に、酸化ストレス（悪玉活性酸素）が骨密度の低下に関与する可能性が言われるようになっており、抗酸化力の高い食品が骨量の低下に有効ではないか？との仮説もあるそうです。
日本では平成17年度から、独立行政法人農業食品産業技術研究機構（果樹研究所）が、血清中のカロテノイド濃度と骨密度との関係性を調査しており、その結果、βクリプトキサンチンを豊富に含むミカンの摂取が、閉経女性の骨密度低下（骨そしょうリスク）に予防的に機能する可能性を示しています。（K.Y）

※血清中のカロテノイド濃度＝抗酸化力の血液指標として測定される

ナノテク 小ささゆえの心配

ナノテクとは１ミリの１万分の１より細やかな技術。ナノテクノロジーの略。
炭素分子のフラーレンが有名で新素材として幅広く注目されている。「ナノ」を売り物にした化粧品も登場している。
ナノテクサイズの物質はインフルエンザウイルス並みかそれよりも小さい。無害とされていた物質でも、きわめて小さい粒子になると、想像もつかない悪さをする恐れがある。
そのような材料について、国内では産業技術総合研究所が中心となって安全評価を進めている。ナノ材料の害の有無を幅広く調べ2010年度までにまとめる。
先端技術が広がる前に、その負の側面を調べ上げる必要性は非常に高い。（参考：朝日新聞社説）(Y.A)

肌の新しい保湿因子 カスパーゼ１４

皮膚の潤いを保ち紫外線からのダメージを防ぐ働きがある酵素を、ベルギーの大学チームがマウス実験で突き止めました。
この酵素はカスパーゼ１４と呼ばれ、人間にも存在することが確認されていたが、どんな働きをするか、これまでよく判っていませんでした。
カスパーゼ１４は、皮膚の角質層の働きをコントロールしており、これが働かなくなることで、紫外線を防げなくなったり、皮膚のうるおいを保てなくなったりするようです。
実験では、カスパーゼ１４を働かなくしたマウスの皮膚は、キメが粗い異常な状態になり、皮膚から蒸発する水分量が増え、保湿機能が落ち、紫外線による損傷が大きくなっていました。
この結果は、アレルギー性皮膚炎、乾燥肌も含む肌の乾燥を伴う皮膚疾患などの治療につながる成果として注目されています。（朝日新聞他）（k.o）