摂取カロリーを約3割減らすと、糖尿病やがんといった加齢に関連した病気で死ぬ確率が3分の1に減ることが、米ウィスコンシン大チームがアカゲザルを使った約20年間の実験で明らかにされている。
摂取カロリーの制限で老化を防げることは線虫やショウジョウバエ、マウスなどでは確認されているが、霊長類では不明であった。実験、飼育中に死んだサルを解剖して調べると、糖尿病やがん、心血管疾患、脳の萎縮など加齢性の病気で死んだ割合が「カロリー制限なし」で14匹に上り、「制限あり」5匹の約3倍に達していた。実験開始時の年齢は7~14歳の大人。このことからチームは、大人になってからカロリー制限をすることで、加齢性の病気の発病を減らし、老化を遅らすことができた、としている。カロリー制限で寿命が延びる仕組みはまだ不明だが、糖の代謝機能の改善がかかわっているとみられている。今回の成果について、京都大・近藤助教は人に近いサルでカロリー制限の効果が示されたことはすばらしいと捉えれるも、人の場合にどの段階でカロリー制限をすればいいかなど、難しい問題も残っていると捉える。 (参考:朝日新聞)(M.Y)
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