シックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドを吸収する植物を、泉井桂・近畿大教授(分子植物生理学)と阪井康能・京都大教授(応用微生物学)らが開発。ホルムアルデヒドを栄養源にする細菌の遺伝子を組み込むことで、植物に新たな性質を持たせることに成功した。
同教授らは、メタノールをホルムアルデヒドに変えて、栄養源として体内に取り込むメチロトローフと呼ばれる細菌に注目。この細菌が持つ2種類の遺伝子を、実験植物に使われるシロイヌナズナとタバコに組み込んだ。すると、二酸化炭素の代わりにホルムアルデヒドを使って光合成する植物が生まれた。
このシロイヌナズナと野生種を4週間、高濃度のホルムアルデヒドが入った容器の中で栽培すると、遺伝子を組み換えたシロイヌナズナだけが枯れずに生き残った。容器内のホルムアルデヒドの濃度も野生種に比べて、10分の1程度に減少していた。 この手法をポトスなど一般的な観葉植物に使えば、室内で有害物質を効率よく吸収、除去できるとして研究を進めている。
安価なホルムアルデヒドは、建材や壁紙などの接着剤に使用され、室内で目の痛みや皮膚炎などのアレルギー症状を起こすこともあることから、今後観葉植物に応用し、商品化も図れるものとして注目している。(参考:朝日新聞)(M.Y)
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