乳がん腫瘍の成長・増殖速度は若い女性ほど速い傾向があることがノルウェーの研究者らによって明らかにされ、今回の知見がスクリーニングプログラムや臨床試験、他の研究の計画や評価に有用であると見解している。
今回の研究で、マンモグラフィ(乳房撮影)で検出可能な乳がんの数を推定することにも成功。これは、腫瘍の成長速度とマンモグラム(乳房X線像)の腫瘍検出能を同時に推定する新しいアプローチである(50~69歳の女性39万5,188人のマンモグラフィ結果を用い、検証)。
その結果、腫瘍の成長速度は患者によって有意に異なることが判明。腫瘍20個のうち約1個が1カ月で10mmから20mmへ2倍の大きさになったが、2倍になるまで6年以上かかった腫瘍も同数認められた。これより、腫瘍が2倍になるには平均1.7年かかると推定。腫瘍の成長速度は若齢女性のほうが速く、加齢とともに遅くなった。また、マンモグラフィによるスクリーニングテスト感受性は、腫瘍が大きくなると著しく上昇し、5mmの腫瘍は検出率が26%であったが、10mmの腫瘍では91%にまで上昇した。
米国癌協会(ACS)のDebbie Saslow氏も、40歳以上の女性にはやはりスクリーニングが必要で、若いほど腫瘍の成長が速いことから、若齢女性は1~2年毎、高齢女性は毎年スクリーニングを受けるべきとするガイドラインは理にかなっていないとみている。(参考:医学誌「Breast Cancer Research」)(M.Y)
コメント