1990年以降の消費財分野、中でも、トイレタリー(生活用品)分野において、
大ヒット商品として広く認識されているのが、
☆ 花王の衣料用洗剤のアタック(Attack)、
☆ 同・ボディ洗浄料のビオレ(Biole)、
☆ サンスターのガム(Gum)、ではないでしょうか。
他にもヒット商品と言えるものはたくさんあるでしょうが、
1、売上(メーカー出荷ベース) が数百億円規模に達し、
2、企業収益の屋台骨になり得た、
という条件で絞れば、それほど多くありません。(売上規模だけでは×、利益率が伴ったもの)
これらのブランドに共通しているのは、
新しいベネフィット(Benefit、利便性)を生活者に提供する中で、
低迷していた旧市場から コンバージョン(Conversion、転換) に成功したことです。
新しいベネフィットとは、
アタックではサイズ・使用量のコンパクト化、ビオレでは弱酸性洗い (自然派ではない低刺激性)、
ガムでは歯周病予防という機能性、です。
生活者にそれまでにない 【高付加価値】、流通に 【高収益】 をもたらし、
コンバージョンに成功、それらが新カテゴリー形成 ⇒ ニューマーケット成長の原動力になりました。
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人口が縮減してゆく現状において、コンバージョンの考え方はマーケティング戦略上、重要です。
一定規模の(旧)マーケットからコンバージョンしてくることで、新市場の規模と成長性を確保する他に
有効な手段がなかなか見当たらないからです。
私は、ヒット商品の重要な条件のひとつとして、プロベネフィット (Pro-Benefit) と個人的に呼んでいます。 (便益 (Benefit ⇒ 対消費者) + 利益 (Profit ⇒ 対流通))
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